不動産売買仲介営業の仕事内容ってどんなこと? 現役営業マンが解説
こんにちは、不動産売買仲介営業マンの野口貴矢(のぐち たかや)と申します。
不動産売買仲介営業は、仕事が大変そうとイメージを持たれることが多い仕事です。
不動産という大きな買いものに立ち会う重要な仕事ですので、大変な場面が多いことも事実です。
そこで本記事では、不動産売買仲介営業を現役でやっている私が、仕事の内容や必要な能力、将来的にキャリアアップするポイントなどについて詳しく解説します。




転職して一緒に不動産で頑張ろや。
まてまて、しっかり考えるんやで。










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不動産売買仲介営業とは
不動産売買仲介営業は、マンション・戸建てビル土地等の売りたいお客様と買いたいお客様をつなげて、取引をまとめる仕事です。
不動産売買仲介営業といっても、ワンルーム等の投資用物件を専門に扱う会社や、新築戸建て専門に取り扱う会社など様々です。
仕事内容や働き方は大きく異なりますが、売りたいお客様と買いたいお客様をつなげて取引をまとめる仕事というのは共通しています。
また、営業方法も売りたいお客様を見つける営業方法か、買いたいお客様をメインに取り扱う方法もさまざまです。
大手不動産売買仲介会社はどちらかというと、 一度販売の依頼をお受けすると、確実な売り上げが見込める売りたいお客様を見つける営業の方がメインの活動になります。
不動産売買仲介の仕事内容仕事内容としては、売り物を商品棚に並べないことには、営業活動ができませんので、売り たい人を見つける 買いたい人を見つけるということが、 一番重要な仕事になります。
若手の不動産営業マンの方には下記がおすすめです。
業物登録
若手営業マンの仕事として、 業物登録という言い方をしますが、 インターネットに掲載され ている、不動産会社が売主のいわゆる「不動産業者物件」に広告活動が可能か連絡をし、自 社ホームページに掲載させたりすることで、買主様からのお問い合わせはくるように準備をしたりします。
そこでお問い合わせがあったお客様に他の物件等を紹介して、契約を目指 します。
チラシのポスティング
分譲マンションや戸建ての所有者を対象に売却不動産を募集中といったチラシをポスティ ングします。
チラシをみたお客様がご売却を検討している場合、 チラシをみたお客様から、「今いくらで売れるのか査定をしてほしい・・・・」 「不動産売却の相談をしたい・・・」といったご連絡がきますので、 メールや実際にお会いして、現在の相場に基づいた売却可能金額 ( 査定 価格)をお客様にお伝えし、販売活動の依頼をお受けします。
物件の売却活動依頼をお受け することを業界用語では、「物上げ」という言い方をします。
「物上げ」 をおこなうことができれば、インターネット等に掲載をすることで、買主様からのお問い合わせも期待できますので、不動産売買仲介営業マンにとっては、とても重要な仕事になります。
自分でチラシを投函に行くこともありますし、チラシ投函業者に委託をして、投函してもらうこともあります。
ダイレクトメール (DM)
物件の所有者が人に物件を貸していたり、セカンドハウスを所有している場合、チラシを投函しても、所有者に売却不動産募集中の広告が届かない場合があります。
その場合に有効な広告手法がダイレクトメール (DM) になります。
法務局発行の誰でも閲覧可能な、登記事項証明書により、 物件所有者の住所・氏名が分かりますので、その住所や氏名を基に、 ダイレクトメールをお送りさせていただきます。 そうすることで、 確実に所有者へ広告を届けることができるため、郵送費等が余分にはかか りますが、活動している会社は多い営業手法です。
また、相続された不動産の場合、 管理の手間や相続人による資産分割が発生することが多いですので、売却されるケースが多いです。
そこで、法務局で不動産が相続されたリストも誰でも取得ができますので、そのリストを基に、ダイレクトメールをお送りする会社も多いです。
折込広告
新聞や地元の地方紙等に不動産売却募集中や販売中物件の広告をいれたりします。
新聞や地元の地方紙を読んでいる方は、比較的不動産を所有している、年齢層が高めの人の 割合も多いため、土日になると、 複数会社から、不動産チラシが入っていることも多いです。
インターネット広告
インターネット全盛の時代ですので、インターネットから売却相談・価格査定の依頼をお受けすることも多いです。
ただし、一括無料査定等で、複数会社に査定を依頼されるケースが多いため、どの会社も必死に営業活動をおこないます。
自分の会社で物件を取り扱いするために、相場からかけ離れ た高値を提示したり、競合が多かったりするため、 実際に販売活動の依頼を受けるためには、とてもハードルが高いです。
どのようにしたら、 お客様からの信頼を得て、 ご売却依頼を受けることができるのかを考える必要があり、 答えがないため、 営業マンの腕の見せ所です。
インターネット広告についての書籍です。
紹介営業
過去に取引のあるお客様に他のお客様を紹介していただいたり、 新築戸建てを建築するハウスメーカーの担当者から、土地探しのお客様を紹介していただいたりといった営業活動になります。
お客様やハウスメーカーの担当者にこの人に不動産の売却・購入を依頼したい。
と思っていただく必要があるため、お客様やハウスメーカーの担当者とつながりを深める 必要があります。
つながりをつくるために、 いい土地情報が入ったらハウスメーカーに紹介 したりしている営業マンも多いです。
紹介営業について、より学びたい人は下記の本を読んでみてください。
物件の写真撮り
売却の依頼をお受けすることができましたら、 インターネットやホームページに掲載するための写真を撮影します。
見やすい綺麗な写真を掲載することで、 お問い合わせの増加も目指せますので、 大手だとカメラマンに撮影を依頼したり、 一眼レフカメラを使ったり、 写真撮影を工夫している担当者も多いです。
最近では、 室内全体を見渡せる [VRシステム] で写真を掲載すること会社も多くなりました。
私は下記のVRシステムカメラを使ってます。
簡単に設定できるので、便利です。
物件の調査
ご売却のご依頼をお受けしましたら、 物件の現地役所調査をおこないます。 土地・戸建ての場合は現地で境界標があるか、 越境がないか、 水道管の数や太さ等、 調査項目は数多くありますが、 調査ミスによる重要事項説明違反なども大きなクレームにつなが りますので、ミスがないように、 しっかりと調査をおこなう必要があります。
マンションの場合は、「重要事項調査報告書」 「管理規約」 「長期修繕計画書」 等を管理会社から取得し、 物件ご案内時にスムーズな説明ができるように準備をおこないます。
距離測定は室内を傷つける心配のない、レーザー距離計がおすすめです。
不動産のプロ感が出せますし、お客様にも興味を持ってもらえるのでおすすめです。
物件の案内
販売活動を開始した物件をお客様にご紹介し、 実際に物件の現地ご案内をおこないます。
資金計画書の作成 物件詳細資料を準備し、物件の現地ご案内をおこないます。
現地でアピールポイントをご説明したり、 設備の不具合箇所がある場合は現地でご説明い たします。
お客様が気に入った場合、スケジュール調整や住宅ローンの手配をおこない、購入のお申し込みをいただきます。
住宅ローンの計算もできる電卓がおすすめです。
下記は私も使ってますが、スマホのアプリで代用しても大丈夫です。
契約
無事購入のお申込みをいただきましたら、調査した資料を基に重要事項説明書契約書の 作成をおこないます。
内容にミスがないように確認をしながら他の営業活動もありますのでスピーディーに作成する必要があります。
不動産売買契約の内容は複雑で重要な書類だけに若手営業マンのころは非常に大変な作業です。
また、契約前の重要事項説明に関しても不動産に関する専門知識と分かりやすい説明が求められますので、 とても緊張する仕事の一つです。
また、「宅地建物取引士」 の国家資格がないと、 重要事項説明ができないため、不動産売買仲介営業をおこなうためには必須の資格です。
せっかくなら大事な契約ごとなので、良いボールペンを1本持っておくと、お客様からも好印象です。
下記のボールペンは1400円ですが、しっかり高級感もあっておすすめです。
決済
契約後資金の準備や売主様の引っ越しなどが終わりましたら、物件のお引渡し•決済をおこないます。
大きな金のやり取りをするので通常は銀行でおこないます。
ネットバンキングなどを利用する場合や不動産会社の事務所で行う場合もあります。
通常1時間程度で終わることが多いですが必要書類がそろわなかったり、 トラブルで済が中止になると、 契約違反になる場合もあり、 営業マンとしてはとても責任のある仕事です。
物件に抵当権 (ローンが残っている) がある場合は2週間前長い場合だと1ヶ月までに日程を連絡しないと決済ができない場合もあるため事前準備がとても重要です。
不動産ついてより深く知りたい方は、下記の本がおすすめです。
不動産売買仲介営業のやりがいと難しさ
大きな取引を経験することができる。
お客様にとって一生に一度になることも多い不動産売買仲介の仕事ですので、取り扱いする不動産も1億を超えるような物件も取り扱つかいします。
そのため、お客様に与える影響も大きく、重要な取引を経験でき、うまくいけば買主様からも売主様からもとても感謝してもらえる仕事です。
深く感謝してもらえると、とてもやりがいを感じることができます。
成果に応じて、年収が上がりやすい。
不動産売買仲介営業では、取り扱う商材が不動産と高額ですので、その分たくさん成果を上げた場合、ボーナスや給料に反映されやすいです。
そのため、能力次第で、20代で年収1000万円も達成可能な職業ですので、多少きつくても収入のために頑張るという人も多い印象です。
不動産の市場規模が大きいため、需要がある。
不動産は生活する上でも、ビジネスする上でも欠かせないものですので、必ず一定の需要があります。
そのため、多少の上下はありますが、一度能力を身につければ、仕事があるといのも魅力でしょう。
転職しやすい
不動産業界は比較的転職がしやすい業界です。
仕事ができる営業マンはどの会社も欲しいため、会社と合わなかったり、キャリアアップを目指す場合は転職する人も多いです。
キャリアアップをお考えの方は、現在の自分の市場価値を知っておくこともいざという時の備えになります。






難しさ
契約ができない場合、会社に居ずらい
高額な不動産を扱うだけに、なかなか契約が取れないという営業マンも多いです。
そのため、会社のノルマを達成できないと厳しく指導を受ける場合もあります。
優秀な営業マンでも契約が取れない月もまれにありますので、浮き沈みがはげしく、メンタル面の強さは営業マンを続けるうえで、重要です。
休日でも連絡や対応が必要
不動産売買仲介会社の営業マンは、土日はお客様の対応があるため、平日に休みになることが多いですが、休日でも関係なしにお客様からの連絡はありますし、対応することになります。
どうしても対応したくない場合、電話に出ないなどもできますが、営業成績にもつなげたいので、対応せざるを得ないという人も多いです。
責任が重く、クレームも多い
取り扱う不動産は同じ契約内容であることが少なく、確認事項も多いため、クレームの起きやすい仕事です。
そのため、クレームが起きないように丁寧な接客、正確な仕事が求められます。
どうしても防ぎようのないミスやクレームも場合によってはありますが、真摯に受け止めて、次に活かすしかありません。
どんな風に厳しのかを知りたい人は、下記の本がおすすめです。
不動産売買仲介営業マンに必要な能力
お客様の心理を理解する能力
基本的に買主様は物件を安く買いたい気持ちがあり、売主様は物件を高く売りたい気持ちがありますので、お互いの意向は反対なことが多いです。
そのため、不動産売買仲介営業マンが相場データや今後の市況をもとに、お互い納得のいくポイントを条件調整していきます。
お客様の心理を理解し、適切な提案をおこなう能力が必要となります。
日常生活から、相手がどのようなことを考えているかシュミレーションしたり、本を読んで勉強するのが効果的です。営業マンにおすすめの本です。
コミュニケーション能力
人と人をつなげる仕事ですので、コミュニケーション能力は必要な能力です。
ただ、話すことが苦手でも資料やメールを使って効果的にコミュニケーションを取っている営業マンもいますし、口数が少なくても聞き上手で相手からの信頼を得ることもありますので、基本的なコミュニケーションの技術を学んでいくことをおすすめします。
私も1年目の頃は滑舌も悪く、早口でコミュニケーションをとることが苦手でしたが、意識的に日々改善を心がけることで、徐々に相手に伝わるような話し方ができるようになってきました。
コミュニケーション能力を高めるセールストークを学ぶには、下記の本がおすすめです。
情報処理能力
接客•書類作成•メール対応など、いろんな種類の仕事に対応する必要がありますので、情報を正確に早く処理する能力が必要になります。
早い対応はそれだけで評価される場合もありますし、1年間や1ヶ月の間に、どれだけ成果をあげることができるのかというところが営業マンの成績につながるため、情報処理能力はとても重要です。
毎回同じ内容のメールはテーンプレート化をしたり、文字入力のスピードアップや、作業の効率をして、情報処理能力をアップさせていきましょう。
効率化については、下記の本がおすすめです。
ストレスコントロール能力
不動産売買仲介営業はとても大きなストレスを抱えやすい仕事です。
ノルマのプレッシャーや顧客との対応などストレスをかかえやすい仕事ですので、休みの日はリフレッシュしたり、疲れてきたら自分で仕事の合間に休息を取ったり、ストレスコントロールがうまくないときついだけの仕事になってしまいます。
ストレスがたまると、仕事の効率も落ちるため、自分なりにうまくストレスをコントロールしながら、日々仕事に取り組める能力が必要になります。
若手営業マンには下記の本がおすすめです。
不動産売買仲介営業マンに必要な資格
宅地建物取引士
不動産の売買時に必要な重要事項説明をすることができたり、法律で定められた業務を行うことができる国家資格です。
この資格がないと、宅建業の免許がおりませんし、自分1人で取引を完結させることができないため、不動産売買仲介営業マンには必須の資格です。
覚えることが多く大変ですが、しっかり要点を押さえて勉強できれば、取得可能な資格ですので、不動産売買仲介営業マンになりたい方は、勉強を頑張りましょう。
私は独学で宅建を勉強して、無事合格できましたので、過去問をとにかく繰り返しやり込むことをおすすめします。
普通自動車一種運転免許
お客様の物件案内時に車で案内したり、目的地に行くために車の免許はあった方が便利です。
実際の業務の中で使うことが多い資格です。
不動産売買仲介営業のキャリアアップ
会社内での昇進
会社内での昇進を目指すキャリアアップです。
不動産売買仲介営業マンの場合、成績による昇格基準がある会社も多く、若い人でも成績を上げることができれば、早期の昇進を目指せる場合があります。
昇進すると給料があがったり、より条件の良い案件が回ってきたりとキャリアアップを目指す人にとっては価値が高いでしょう。
更に昇進を続けると、店舗責任者や営業マンを管理する管理職になるケースが多いです。
営業が好きで、店舗責任者になる前に転職をして営業を続ける人も中にはいらっしゃいます。
同業種への転職
より高い給料ややりがいを求めて、別会社に転職したり、不動産の仕入れ営業などに転職する方もいらっしゃいます。
転職経験者の方から聞いた話では、宅建の資格や前職での役職があると転職活動もうまくいきやすいそうです。
最近は不動産業界専門の転職サービスもありますので、不動産業界に興味がある方にはおすすめです。




知識と経験を活かし不動産投資家へ
不動産売買仲介営業マンは常に不動産売買に触れているため、投資の知識や実務的な経験を積むことができます。
そのため、本業で営業マンをしながら、副業で不動産投資をおこない、不動産投資家へ転身される方も多いです。
保有物件を増やして、独立というのが多い印象です。
不動産投資に興味がある方には、下記の本がおすすめです。
独立•起業
宅地建物取引士の資格があれば、宅建業の免許を取得し、独立開業が可能です。
そのため、これまで培った人脈や能力に自信のある方は、独立して会社を立ち上げる方も多いです。
不動産は市場規模も大きく、単価も高いため、起業に成功すれば、天井なしに稼げる可能性もありますし、逆に全く稼げないという可能性もあります。
起業•独立に関しては目指している人も多いので、数人の営業マンで集まって、会社を立ち上げるというケースもあります。
不動産仲介業で独立を目指す方には下記の本がまとまっておりおすすめです。
まとめ
私も現役不動産売買仲介営業マンとして、日々働いていますので、大変なことは多いですが、とてもやりがいのある仕事だと思います。
不動産業界未経験でも、やる気と能力次第で稼げる仕事ですので、不動産売買仲介に興味がある方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?





