不動産仲介営業の物件案内のコツ
不動産売買営業のメインの仕事に、物件の現地案内があります。
こんにちは、野口です。Twitterはこちら
現地でお客様に物件の詳細をご説明し、ご購入の決断をしていただく仕事ですので、いかに物件の魅力を伝えることができるのかが勝負のポイントです。
基本的には、他社で売り出し中の物件も含め、ほぼ全ての物件をお客様へ紹介できますので、不動産営業マンの提案力が試されます。
この記事は、「物件案内がうまくなりたい不動産営業マン」に向けて書いております。
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物件紹介から契約までの流れは、下記のようになります。

















まずは、契約までの流れを説明するで!
【契約までの大まかな流れ】
1.案内可能か物元業者へ確認
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2.お客様へ物件紹介
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3.日程の調整
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4.物件の鍵借り
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5.物件現地案内
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6.購入申込取得
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7.ローン仮審査
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8.物元へ購入申込書送付
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9.諸条件打ち合わせ
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10.契約
それでは、項目ごとに詳しくご説明していきます。
1.案内可能か物元業者へ確認





















まずは、まだ紹介できるか確認や!
まずは、お客様にご紹介するための、条件の良い物件を探します。
最近では、お客様でも簡単にインターネットを使い、物件資料を調べることができます。
そのため、ご紹介する物件は、新着物件・価格変更物件の情報が、お客様にとって有益で好まれます。
お客様の条件に合う、物件が見つかったら、物元業者(売主様を担当してる不動産会社)へ、物件が紹介可能か連絡しましょう。
その際に下記のように連絡しましょう。
①自分の会社名と名前を伝える。
②何の媒体(サイト名)を見て問いあわせをしたのか伝える。
③物件名と金額を伝える。
④紹介可能か確認をする。
⑤居住中の場合、土日や平日どちらが都合が合いやすいかを聞く。
⑥土地・戸建ての場合は、住所がネットなどに記載されていないので、詳細住所を聞く。
最初の物件確認の連絡では、この程度が聞ければオッケーです。
物元業者を目指したい、査定に強くなりたい。
という方には、こちらの記事で詳しくご説明しています。
2.お客様へ物件紹介

















お客様に優良物件を紹介するで!
無事、紹介が可能であれば、お客様へ条件に合う物件をご紹介します。
物件紹介のポイントは、ずばり、「簡潔に熱意を持って紹介する」です。
お客様は、良い物件を紹介してほしいため、いかに臨場感を持たせて、良い物件は早く売れることをお伝えすることが大事です。
いかにお客様にとって、良い物件かを熱意をもってお伝えすることができれば、
「そこまで言うなら、ちょっと見てみようかな・・・」
というような気持に、お客様はなります。
また、普段お仕事をしており、お忙しいお客様も多いため、できる限り、ポイントを
簡潔にご紹介することを意識しましょう。
ご紹介の方法は主に下記の方法でおこないます。
・電話による紹介
・メールによる紹介
・ショートメールによる紹介
・資料郵送による紹介
各方法の詳細について、ご説明します。
2-1電話による紹介

















電話はストレートに伝わるで!
一番ストレートに物件の魅力を伝えやすいのは、電話による紹介です。
相手の反応もすぐに分かるため、現地案内への日程調整もスムーズです。
電話をして、物件の概要を伝えたあとに、メールにて資料を送付するという流れが一般的です。
不動産会社からの電話をあまり良く思わないと感じる人もいるため、相手の迷惑にならないように、簡潔に物件の概要をお伝えするようにします。
電話の際に、興味を示していただけるようでしたら、現地案内の日程取りをできれば、理想的です。
2-2メールによる紹介

















簡単に送れる分、返信率は低めやで!
メールによる紹介は、一番手軽な方法です。
物件資料を添付して、送るだけですので、簡単な作業ですが、お客様が興味を持っていただけるような文章能力が必要です。
たとえば、新着物件の優良物件であれば、他のお客様も検討される可能性が高いため、
「新着物件で他のお客様より、お申込みが入った場合は、先着順で受け付けとなります。」
このようなニュアンスの文言をひと言添えるだけでも、お客様の反応は変わります。
また、このような文言も有効です。
「その他ご見学ご希望の物件がありましたら、同日に併せてご見学可能です。インターネットなどで見られて、気になる物件がありましたら、お気軽にお申し付けください。」
このような文言も入れておくと、お客様自身で気になった物件を申告していただける可能性が増えるため、案内当日、複数物件を比較検討しながら案内をおこなうことができます。
不動産購入の場合、1物件だけ見て決めるということは、レアケースですので、お客様に合う条件の、2~3物件まとめてご見学していただけると、成功する可能性が上がります。
また、日をまたいでご案内となると、別の不動産会社へ直接お問い合わせをするといったケースも増えますので、できる限り、1回の案内時に複数物件を見ていただけるとベストです。
複数物件見ていただければ、関係性も作りやすいですので、決まらなくても、次の案内につなげやすくなります。
2-3ショートメールによる紹介

















画面に表示されるから、返信率高いで!
電話番号しかわからないというケースでは、ショートメールでのご紹介も有効です。
iPhone同士だと、ショートメールの画面が青色に変わりますので、写真などのデータも送ることが可能です。
通常のスマートフォンだと、物件名、間取り、築年数、階数、金額、おすすめポイント等を文章で送り、ご興味を持っていただけば、現地ご案内の日程調整につなげるという流れになります。
ショートメールは、メールよりも気づいてもらえる可能性が高いため、返信率は高くなります。
その分、何度も送り過ぎると、クレームになるケースも高いため、メールや電話などの特徴を理解して、うまく使い分けるようにしましょう。
うまく活用できれば、強力な武器になります。
2-4資料郵送による紹介

















大量の資料を送りたいときは、便利やな。
個人的には、あまりおすすめしませんが、資料を郵送して、物件をご紹介する方法です。
郵送の時間がかかることが一番のデメリットです。
新着物件や、優良物件は、他のお客様とのスピード勝負になることも多いため、スピード感に欠ける方法はできる限り避けたいものです。
有効な場面としては、携帯やメールをあまり使わないお客様へ詳細な資料をお送りする場合や、物件資料以外の情報も含めて大量の資料を送りたい場合は、有効です。
物件購入を検討し始めて、これから知識をつけたいというお客様には、郵送でしっかりした購入資料をお送りすると好印象です。
3.見学日程の調整

















2候補日、聞けるとベストやで!
物件をご紹介し、実際に現地を見学したいとなった場合、見学日程を調整していきます。
一般的には、2候補日ほど、候補日をお客様に教えていただき、物元業者へ案内希望の連絡を入れます。
物元業者へ日程のご連絡をした際に、詳細な資料がある場合は、可能であれば下記書類を取得しましょう。
(マンションの場合)
・重要事項調査報告書
・長期修繕計画表
・公課証明書
・販売図面
・パンフレット
(土地・戸建ての場合)
・公課証明書
・公図
・地積測量図
・確定測量図・現況測量図
・修繕履歴
空き家であれば、売主様側との日程の調整は必要ありませんので、現地キーの番号と場所を教えてもらうか、鍵を借りにいく日程の調整をしましょう。
現地キーの場合、案内当日に現地から電話をしてくださいと言われることも多いですが、お客様と一緒にいる場面で、電話がつながらないと、案内ができないということもありますので、その場合は、営業中なのかと、何時ごろに案内をするのかを物元業者へ伝えておきましょう。
実際に、私も案内の際に、現地に行ったが、電話してもつながらず、結局、室内が見れなかったという経験があります。
物元業者の責任といえばそれはそうですが、お客様からしたら、不動産会社同士の事情は関係ありませんので、案内した営業マンにクレームが飛んできます。
鍵の手配は簡単な作業ですが、ミスがないように注意が必要です。
また、営業マンの一番決まる可能性が高い物件を最後に案内することをおすすめします。
最初の方に見た物件はどんな物件だったか忘れてしまう可能性もありますし、最後に見る物件が、空き家であれば、最後の物件の現地でじっくり時間を取って、今後の購入の話がしやすくなります。
基本的な営業手法として、頭に入れておくといいと思います。
4.物件の鍵借り





















カギ借りるだけじゃあかん。情報を引き出さな。
実際に見学日程を調整できましたら、物件の鍵を物元業者へ借りにいきます。
鍵を借りる際は、名刺を渡して、鍵の貸し出し名簿のような書類に、日付・時間・会社名・電話番号・返却予定時間などを記入することが一般的です。
できれば鍵を借りる際に、物件の注意点や金額交渉幅の担当者の感覚をうまく聞けると案内がうまくいく可能性が上がります。
通常物元業者の直接のお客様で成約すると、両手取引となり、売主様と買主様の両方から仲介手数料がもらえるため、物元業者は積極的に情報を開示することは少ないですが、担当のノルマが厳しい場合、なかなか売れない物件の場合は、金額交渉幅も教えてくれる場合もありますので、ダメもとで聞いてみるぐらいはしていた方が、いいと思います。
仕事ができる営業マンは、何気ない会話から、重要な情報を聞き出すのがとてもうまいです。
5.物件現地案内





















早めに行って、事前確認は把握は必須やな。
鍵の段取りまで終えて、当日を迎えましたら、実際に現地案内をおこないます。
物件は空き家の場合、清掃などが入っていないことも多いため、スリッパを持っていくようにしましょう。
一度も見たことがない物件でしたら、15分ほど前に現地につき、少し物件周辺を歩いて街の雰囲気を感じたり、室内の状態確認をおこなうことをおすすめです。
基本的に電気のブレーカーを落としてあることが多いため、事前にブレーカーを上げ、電気を全部屋つけるように普段は私はしています。
その方が、第一印象が明るく感じます。
また、換気をしておらず、排水のにおいがすることも多いですので、窓を開けて、空気の入れかえを事前にしておきましょう。
空き家の場合は、封水切れをおこし、排水のにおいがあがってきやすいです。
室内の状態確認の際には事前にいい点や悪い点を確認しておきます。
ここはお客様から突っ込みが入るなと思う点は、事前に返答用の答えを考えておくと、案内時に即答で答えることができます。
悪い点を突っ込まれたときに、間を開けてしまうと、お客様が不安に思いやすいため、できるかぎりすぐに回答をするように心がけておきましょう。
上記のような事前準備が終わりましたら、実際に、お客様とお会いして、物件のご案内をしていきます。
まずは、簡単にあいさつを済ませ、室内に入っていきます。
エントランス・オートロック・宅配ボックスなどの共用部を紹介しながら、お客様と会話のキャッチボールをして、和やかな雰囲気が作れると理想的です。
実際に室内に入り、物件紹介をしていきます。
お客様のタイプによって、情報量多めで紹介したほうがいいのか、あまり話さずにじっくり室内を見てもらうのがいいのかは考える必要があります。
ただ、私の考えとしては、不動産営業マンとして、お客様の気づかないようなメリットやデメリットはしっかりとお伝えするようにしたほうがいいと思っています。
そのため、物件の魅力が伝えれるように、積極的にご説明をしていきます。
物件の面積などは、資料を見れば、誰でもわかることですので、それよりは、家具の配置場所や具体的な設備の使い方などをご説明し、できる限り住んだときのイメージがしやすいようにご説明を意識しています。
お客様の多くは、将来の明るいイメージを持って、物件を検討されます。
物件のデメリットやメリットを伝えながら、お客様が納得いく検討をしていただければ、その物件で決まらなくても、信頼していただき、他の物件でご購入いただくというケースも多いです。
お客様と同じ立場でいい物件を探していけるのは、不動産仲介業の大きなメリットです。
分譲マンションの販売などの場合は、特定の物件を決めないといけないので、私は仲介のほうが自由度が高くて好きです。
※個人的な意見ですので、すべて正しい意見とは限りません。
私は、そのように思っているというだけです。
ひと通り物件を見終わりましたら、お客様に検討可能かを確認していきます。
優良物件の場合、複数ご見学があり、タッチの差で他のお客様に購入申込をされることも多いので、私は、そのような内容をお伝えし、気に入ったのであれば、できる限り早く購入の意思表示をしたほうがいい旨をお伝えします。
そこで決断できないようであれば、無理にゴリ押しするようなことはせずに、悩まれているのであれば、判断材料となるような追加資料を聞き取りします。
金額面で、お悩みのようでしたら、可能な範囲内で金額交渉のご提案をすることもありますが、優良物件の場合、満額のお客様が第一優先となります。
売主様としても、少しでも高く売れたほうがいいので、当然の話です。
気に入っている物件で、買い逃したくないのであれば、満額で当日のお申込みをおすすめします。
多少気になるところもあるなという場合は、買い逃しても仕方ないという気持ちで、金額交渉をおすすめします。
購入に進む意思があり場合は、購入申し込み書(買付)にご記入をいただきます。
6.購入申し込み書(買付)を取得





















本気で納得してもらってから、買付取得や。
そうせんと契約飛ぶで。
購入申し込み書(買付)を取得時のコツについて、解説していきます。
まず、前提として、購入申し込み書には法的な拘束力はありません。
購入申し込み書を書いた後にキャンセルをしても、基本的にはペナルティーなどは発生しません。
よく起こるのが、購入申し込み書を書いてもらって契約準備をすすめている時のキャンセルです。
お客様からしたら、大きな買い物ですので、どんなに気に入った物件でも契約前に不安になるのは、自然なかことです。
そのため、私は、購入申し込み書を取得する際に、万が一でもキャンセルすることがある場合は、購入申し込み書を記入しないでください。
とお伝えしたうえで、購入申し込み書を取得するようにしています。
法的な拘束力があるわけではありませんが、私はそのようにお伝えするようにして、キャンセルになる可能性はかなり低くなりました。
理由は、お客様自身が、ご納得して購入を決めたという認識が生まれるからだと思っています。
購入申込書には、購入希望の売買金額・手付金の額・契約予定日・決済予定日・融資額・ローン特約のありなし・その他の契約条件・物件の概要などを記載し、お客様よりご署名と押印をいただきます。
購入申込書の記入の際に、詳細な打ち合わせはできていれば、お客様の不安も多少は軽減できますので、多少時間がかかっても、丁寧に接客しましょう。
不動産営業マンは何十回も繰り返していますので、慣れていますが、お客様は初めての方が多いため、そのあたりの部分も配慮してあげれると、お客様も満足してくれるのではないかと思います。
7.ローン事前審査申し込み

















資金計画は慎重にな!
住宅ローンを組む必要がある場合は、ローンの事前審査の申し込みを契約前におこないます。
必要書類がそろっていなければ、購入申込書の記入と合わせて、ローン事前審査用紙にご記入をいただき、必要書類は後日準備していただきましょう。
メールなどで、コピーを送っていただいても問題ありません。
また、最近ではスマートフォンやタブレットからも簡単に申し込みができるため、おすすめです。
大手不動産会社の多くは、1回の入力で、まとめて複数社に事前審査申し込みができるがシステムもあります。
基本的な住宅ローンの場合は、お客様に下記をご準備していただく必要があります。
お客様が準備するもの
・源泉徴収票(直近1期分)
・健康保険証のコピー
・運転免許証など本人確認書類のコピー
・印鑑(認め印可)
・その他借り入れがある場合は、ローン内容・残高が分かる書類
・法人代表の場合は、会社の決算報告書(3期分が多い)
・個人事業主や会社員でも確定申告をしている場合は、確定申告書(3期分が多い)
不動産会社が準備するもの
・事前審査用紙
・販売図面
・物件謄本(土地・建物・前面道路など)
・公課証明書や各階平面図
・土地戸建ての場合は、公図・地積測量図・確定測量図なども追加で提出
なんだか準備する書類が多いように感じますが、仕事に慣れてくると、そこまで難しくはありません。
最初のうちは、チェックリストなどを作成して、お客様に伝え漏れがないように注意しましょう。
8.物元業者へ購入申込書送付





















買付取ったら、当日中にすぐ送るのが基本やで!
無事、購入申込書を取得しましたら、早急に物元業者へ連絡をして、購入申込書を送りましょう。
すぐに購入申込書を送らずに、翌日送ったら、2番手になったしまった。
という可能性も0ではありません。
購入申込書を送ったあとに、内容をお互いに確認をし、物元業者が売主様に条件面の交渉などをおこないます。
一番交渉面でよく出るところは、やはり売買金額のところです。
案内前に、物元業者へどの程度金額交渉が可能か聞けておれば、それ以上の金額で購入申し込みが取得できれば、スムーズに進む可能性が高いです。
物元業者は基本的に、自分たちのお客様で契約をしたいため、客付け業者を手厚く待遇するというところは、あまり多くないのが現状です。
契約をスムーズに進めるには、物元業者との関係性はとても大事ですので、良い関係性が作れるように、最大限努力したほうが、あとあとの契約書の内容すり合わせなどが楽になります。
あとは諸条件を打ち合わせして、契約書・重要事項説明書などを作成し、無事契約となります。
契約準備の方法などについては、こちらの記事で解説しておりますので、気になる方は、こちらも読んでみてください。
不動産営業の物件案内のコツまとめ

















物件案内は大変だけど、契約の達成感はすごいで!
一緒にがんばろな!
今回は不動産営業の物件案内のコツについて、解説しました。
物件の案内がうまくなりたい。
と思っている不動産営業マンの方は多いと思いますので、そのような方の参考になれば、とてもうれしいです。
やはり、不動産売買仲介は知っているか、知らないかで大きな差が出ると思っています。
わたしは、このような本を何冊も読んで、不動産売買仲介の勉強をしてきました。
口コミも高評価ですし、若手の不動産営業マンの方には、ためになる本だと思います。
いい物件をご紹介し、物元業者とも上手に交渉できれば、お客様もとても満足していただけると思います。
案内は不動産営業マンの見せ場ですので、頑張って上達していきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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