買い取り業者の不動産仕入れ目線【具体例あり】

買い取り物件の購入目線について、現役不動産営業マンが解説します。

現在筆者は、福岡市在住のため、福岡の相場に基づいてのご説明になります。

私は、不動産仲介営業の立場から、買い取り業者様へ物件のご紹介をします。

そして、買い取り金額が出ましたら、売主様に金額をお伝えし、ご納得いけば契約。

通常はこのような流れで買い取りとなります。

それでは、どのようにして、不動産購入のプロである、買い取り業者様が購入の価格を決めているかをご説明していきます。

個人の不動産投資家の場合、短期譲渡に該当し税制的に不利・反復継続の取引は宅建業法に抵触する場合もありますので、個別の相談はメールよりお気軽にご相談ください。

物件の概要を把握する。

まずは、仲介業者さまから、物件のご紹介を受け、物件の詳細情報を確認します。

概要とは、現在の販売価格・物件の住所・広さ・築年数・現在の賃料・賃借人の属性・固定資産税・管理費・修繕積立金・長期修繕計画・事件・事故・トラブルなどを確認します。

買い取り業者様に流れてくる情報は売主様が売却を急いでいたり、周囲に知られてくない、事件やトラブルがある、室内の状態がとても悪いなど、何かしら事情があるケースが多いです。

理由は、買い取りの場合、一般的には購入後、リフォームなどをして再販売するため、購入価格は個人のお客様が購入するに比べて、安くなるからです。

だれでも、1000万円で売れるかもしれないものを、なにか理由がない限り、800万円で売ろうとは思わないのです。

水面下案件の場合、あまり情報がないということも多いですので、不動産会社は下記のようなサイトを使って、情報を調べます

登録制のものが多いですが、実際にどの不動産会社も使っていますね。

詳細な情報を集め、買い取り価格の目線・再販時の目線を決定していきます。

不動産データ・鑑定評価・土壌汚染調査の東京カンテイ|不動産専門データバンク (kantei.ne.jp)

登記情報提供サービス (touki.or.jp)

REINS IP

マンションの口コミ・相場・資産価値検索サイト【マンションレビュー】 (mansion-review.jp)

地価公示・地価調査・取引価格情報 | 土地総合情報システム | 国土交通省 (mlit.go.jp)

どのサイトも私も実際に使っており、使いやすいサイトばかりですので、不動産投資家の方は、ぜひご活用ください。

不動産仲介会社様・不動産買取会社様も使っていないサイトがありましたら、ぜひご利用してみてください。

実際に物件を見に行く。または、机上で価格提示する。

概要を把握できましたら、実際に物件を見に行くことになります。

場合によっては、物件見学がNGで、買い取り金額だけ出してほしいということも多いですが、その場合は金額を提示し、仲介会社様からの連絡を待つような形となります。

買い取りの難しいところが、仲介会社様は他のいろんな買い取り業者様に情報を提供し、購入を検討してもらいます。

そのため、提示価格が低い場合、その後の連絡がこないようになりますので、他の会社に負けないぎりぎりのラインで、採算がとれる金額を提示する必要があります。

ここが一番難しいところです。

また、仲介会社様によっては、提示金額をつりあげるために、うその情報を伝える営業マンもいますので、注意が必要です。

他で1,000万円しか提示金額が出ていないにもかかわらず、他からは1050万円で出てるなど高く伝えて、それを超える金額で提示金額をもらうおうとするような営業マンもいますので、買っても利益がでるかのラインを超えずに、なおかつ他不動産会社より高い値段をつける目利き力が試されます。

買い取り業者様の中には、紹介料を提示する・再販売するときに、専任媒介(1社に販売を任せるため、売主様からの仲介手数料は必ず得ることができる。)を購入条件につけたりと、買えるように工夫をします。

また、仲介営業マンと仲良くなって、他買い取り業者様の金額が出そろった後に、もう少し価格を上げるるので、うちで買わせてほしいとご提案されるところもあるため、ぎりぎりの攻防戦が続きます。

参考例紹介 買い取り業者様の目線を体感してみましょう。

※物件内容はフィクションです。

区分マンション

福岡市中央区天神駅徒歩9分(全国的にみるとかなりの好立地) 

築40年・専有面積70㎡・8階建て8階部分・事務所使用可

現状は1LDK

販売中の価格:1,700万円(販売1か月経過)

売主様の目線は1,350万円

眺望良好

管理費・修繕金合計:25,000円/月

固定資産税:70,000円/年

室内状態はフルリフォームが必要

駐車場なし

諸経費を計算してみよう

※すべて概算です。

購入時仲介手数料:511,500円

売却時仲介手数料:800,000円(再販2,100万円程度の場合)

リフォーム費用:3,300,000円(安くできるリフォーム業者を探します。)

登記費用:200,000円

不動産取得税:200,000円

販売期間中の管理費・修繕積立金・固定資産税:165,000円

合計:5,176,500円

損益分岐点:18,676,500円

↑これ以上で売れた部分が利益となります。

どれくらいの利益を目指すのか

一般的には、15%~20%程度を狙っていくことが多く、2,150万円で再販できて、粗利益率が15%です。

2,240万円で再販できて、粗利益率が20%です。

利益が370万円(+20%)~280万円(+15%)になります。

このケースの場合、再販時に、2,150万円~2,240万円で売れると判断した場合は、提示価格を1,350万円程度にするということになります。

逆に1,900万円程度でしか売れないと判断した場合は、利益が32万円しか出ないため、提示価格が1,200万円程度になります。

そこで重要になるのが、再販時にいくらで売れるかの目利きです。

このエリアの同じ築年数のリフォーム済み物件が、ここ数年いくら程度で売れているかをまず確認します。

室内のグレード・立地などをイメージしながら一つ一つの事例と、対象物件を比較していきます。

1物件だけの過去事例を参考にしてしまうと、偶然相場よりかけ離れた高値での成約をしているケースがあります。

その事例を参考に不動産を購入してしまうと、いつまで経っても売れず、赤字となってしまいます。

そのため、複数の成約データや実際に物件周辺の雰囲気を感じとり、よく調査する必要があります。

今回の物件のケースだと、同じような類似物件で最高値2,500万円・最低値1,900万円・平均2,200万円程度が過去の成約データと出ました。

駐車場がないので売却する時に問題はないか、近くに確保できる駐車場があるか・事務所使用ができるが、事務所で使いたい方はどの程度いるのかなども含めて考える必要があります。

また、どういう属性の方が購入者になるのか想像する必要があります。

今回のような再販価格が2,000万円前後の物件の場合、とてもこだわった内装というよりは、予算とのバランスが取りたいというような見込み客が多いと考えらえれます。

内装にこだわりのある方は、自身でリフォーム会社を探して、予算を上げてこだわりのリフォームをされる方が多い印象です。

リフォーム予算を抑えて、トータル費用を抑えて販売するのか、リフォーム費用をしっかりかけて付加価値をつけて販売するのかも物件の特徴に合わせて考える必要があります。

ざっくりとですが、上記のようなプロセスで購入を検討します。

あとは、他の買い取り業者様の動きを予想しながら、他も出るであろう、1,350万円に+10万円の1,360万円でぎりぎりのラインをついてみたり、薄利で赤字リスクもあるが、2,300万円~2,400万円で売れると想定して、強気で1,400万円を提示するような会社もありますが、買い取り業者様の方針次第です。

不動産業界について、楽しく知りたいというひとは、山下 智久さん主演でドラマ化もされた、正直不動産はおもしろいんで、ドラマはみたけど、マンガは読んでないひともぜひ読んでみてください。

物件販売時に考えていること

最近はインターネットを見てからの、お問い合わせが8割程度を占めます。

お客様はインターネットに掲載された文字による情報と写真による情報をみて、実際に見学に行くという決定をされます。

そのため、まずはご見学につなげるというために、不動産仲介会社はインターネット広告を充実させます。

物件の差別化は難しいですが、売りたい物件を他の物件より価値を感じていただくために、写真や文章で付加価値をつけるマーケティングの知識が必要になります。

文章力を鍛えるために、ブログを書いたり、インスタ用に写真を撮ったりすることは、不動産を売るためのマーケティングに役立つかなと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

t.noguchi
  • t.noguchi
  • 一部上場企業勤務の不動産営業マン。
    役職は上席主任。
    国家資格の宅地建物取引士の資格を保有。
    長崎国際的大学卒業。
    これまでに150件以上の契約を経験。
    最高実績は、3ヶ月連続仲介手数料1000万円over。
    3年連続営業成績優秀賞を受賞。
    2021年同期全国1位を獲得。
    若手営業マンに向けて営業の基本について発信中。
    メールアドレス
    ntakaya0315@gmail.com